膝がいたむ原因については、打撲などの外傷を除いた場合、一般的には
・軟骨が摩耗したから
・骨棘形成など変形が生じたから
・半月板の損傷があるから
・筋力が低下したからなどと言われることが多いかと思います。
関節周囲の変形・変性は退行変性(老化現象)として誰にでも起きることです。表面にシミ・シワ・白髪が発生するように内側にも変化は起きています。
バスケ・バレー・サッカー・剣道など膝関節に負担がかかりやすいスポーツを長年続けている方のなかにはオーバーワークで膝を痛めやすい方があるのもうなずけます。
一方で、画像診断をすると変形が観察されるのに特段の痛みも違和感もないことがあるのもまた事実です。半月板損傷や骨の変形があるのにスキーや登山や剣道を楽しんでいるひとも多くいますね。
実は膝から足首にかけての筋肉や、股関節から膝にかけての筋肉に過剰な緊張部分があり、それらがトリガーとなって痛みを発生させていることが多いのです。
また、歩き方や立ち姿勢にクセがあって、関節にねじれ(O脚・足首内反・外反拇趾)があるために余計なストレスをかけているケースや、良かれと思って不用意にスクワットなどの筋肉トレーニングをくりかえしてなる場合もあります。まちがったフォームだったり、オーバーワークは要注意ですね。
そうしたポイントを的確にリリースしたうえで、足に負担の少ない歩きかたを身に着けたり、セルフケアを実行していくことでひざ痛が本質に解消されていくとが本来の改善といっていいと思います。
「体重が重いから膝に負担がかかる」ということも良く言われますが、膝が痛いために減量に必要な運動ができないというジレンマに陥る方もありますね。
関節というよりもむしろ筋肉に存在する痛みのトリガーを解消して、正しい重心移動の動きを身に着けると痛みを感じることなく日常動作や運動ができるようになるものです。
体の用いかた、体の手入れの仕方こそが、健康快適生活に根本的に大切なことですね。